滋賀旅行①近江八幡~彦根
「旅と本」というタイトルなのに、一度も旅の記事を書いていなかったので、今年の初夏に行った滋賀の記録など。
続きを読むドラマの話ーセトウツミ
今クール見ているのは、民衆の敵、監獄のお姫さま、刑事ゆがみ、陸王、それからセトウツミ。
もともと映画になった時に気になっていたんだけど、アマゾンプライムでいつでも見られるかと放置してたので、映像化は初見。第一話の会話のぎこちなさにこりゃダメだと切ろうとしたんですが、だらだら流している間になんか、妙にツボに入ってきた。
二人ともぺらぺらと喋らないのがなんかリアル男子高校生のようで、その上だんだん上手くなってきてる気がする。特にハツ美ちゃんが出てくると内海との謎コンビネーションとツッコミに回らざるを得ない瀬戸がとても面白くて一人でニヤニヤ笑ってます。今度映画も見てみよう。
監獄のお姫さまはも最初どうかと思ったんだけど、伊勢谷さんのクズ男がキレキレなのとクドカンの満島ひかり最高に好み(例:ごめんね青春)なので案外楽しんでいる。夏帆の無垢で純粋なお姫さまぶりが見事で、いいキャスティングだなー。クドカンの話は最後がグダグダになる印象なので、そのへんまとめきるかどうかが気になります。
そういえば、海月姫の最終巻が出たらしい。読まねば。
ごくせん(森本梢子)
いわずと知れた有名作なんであらすじ省略。まあ簡単に言うと極道の三代目の孫娘が教師になって、生徒たちや家族と巻き起こすドタバタコメディ。
なんだけど多くの読者が私と同じように爆笑しながらもラブコメとして楽しんでいたんじゃないかと思う次第。久美子に惚れ込んでく慎、篠原先生に憧れながらも慎を頼りにし出す久美子、そして篠原先生の真意と将来、このあたりはなんだかんだすごく丁寧に描かれてました。
が、いざ恋愛モード突入となるとホストの元先輩がわけのわからん刷り込みで慎を洗脳するという力技にもほどがあるやりくちで卒業までになんとか恋愛にしました感満載でおいおいおい。笑
卒業後の二人を描いた完結編もわりととっちらかってたのでこの作者さん、がっつり恋愛を描くのはやっぱり不得手なんじゃないかと思います。
作者自ら影が薄いといわれた篠原先生ですが、すげーーー好きでした。極道弁護士ぶりが板についたスーツ姿といい、久美子の想いをまともに受け止めたら色々大変なので(主に跡取り問題的に)素知らぬふりをするのに結構必死なところといい。
しかし結局、慎は跡取りではなくごくべんになりそうなため、跡目は結局どうなるんだ?と思わなくもない。
ともあれそういう細けえことはいいんだよっていうぐらい笑えてきゅんとできる爆笑ラブコメディ。個人的には、久美子の父親話が少し残るほろ苦さとそれに勝る幸福感といい、一番好きな話です。
政略結婚(高殿円)
「…………はい」
呆然としたままタカさんは言った。ようやく声が出た、といった風に見えた。
「すべて、貴女のおっしゃるとおりにします」
三つの時代を生きた女性の、政略結婚を巡る話。
と、言っていいのかどうか。タイトルと表紙の雰囲気に惹かれて読み出したんだけど、実際あんまり政略結婚関係ない。「お家」というものに縛られながらも前向きにまっとうにいきいきと生きた女性たちのお話ではあると思います。
正直このタイトルで、縁のある女性たちを繋ぐ九谷が描かれた趣向としては中途半端に終わっている印象です。が!
特に二つ目のお話、「プリンセス・クタニ」がもう単にとても胸がきゅんとするラブストーリーだったのでもうそれでいいんじゃないかな!
幼少期を過ごしたカナダから江戸時代の風習が色濃く残る明治期の日本へ帰国し、日本で初めてサンフランシスコ万博の華族出身コンパニオン・ガールになった女性の物語。
華族ながら独立心にあふれた万里子と、彼女の友人の兄・タカさんの距離感がたまらないのです。
あと私はたぶん、「友人のきょうだいとの恋」というシチュエーションにめっぽう弱い。
校閲ガール トルネード(宮木あや子)
「いいよ。今日の夜空いてる? 飯食おうぜ」
「なんでよ、いま取りに行くか、あとで届けてよ、なんであんたとご飯食べなきゃいけないの」
「接待用に開拓しときたい店があんだよ、ひとりで行くのもかっこつかないから、おまえ付き合え。俺のおごりで東京いい店たかい店だぞ」
「ゴチになります!」
間髪入れず答えた悦子に、ゲンキンだなー、と呆れた顔を見せたあと、貝塚は「じゃああとでな」と言って何故か若干スキップ気味に戻っていった。
なんでここ引用したかっていうと、スキップで戻る貝塚が可愛いってだけなんですけど。
おしゃれ命、ファッション誌の編集になりたい執念だけでコネもなしに出版社に就職したものの、何故か校閲部に所属された河野悦子のお仕事小説第三弾。ドラマ化したこのシリーズも、ついに完結です。
綺麗にオチてはいるけど、その後も気になる感じ。番外編、あるいは他の作品にちらっとだけでも登場して欲しい。(作者ブログを確認したところ、やはりこれで完結したらしい。加奈子ちゃんは再登場の可能性アリとのことなので、悦子のその後がちらっと書かれたらいいなー)
ドラマは、正直お仕事部分(校閲)に関する部分は控えめに言ってクソ(失礼)だったんだけど、キャスティングや人間模様や恋愛に関するアレンジがほんっとうに好きで、その部分に関しては前作アラモードまでをうまーく落とし込んで着地させていて見事だった。
ら、なんと、9月にスペシャルドラマで帰ってくるらしい。
私、ドラマのタコこと貝塚とえっちゃんの絡みが好きで好きでたまらなかったので、トルネードの内容を実写キャストで見られたら嬉しすぎるんですけども。貝塚の青木さんがでっかくてがっしりしてるのと、えっちゃんの石原さとみがちいさくて華奢で可愛いのがもうたまらなくてね……。やきもちやいてじたじたしている貝塚を青木さんで見たいいい
あらすじ見たところあんま関係なさそうですけども。いやでも、あの展開をちょびっとでも下敷きにしてくれれば……(往生際が悪い
で、続きからは、トルネードの話。
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ダマシ・ダマシ(森博嗣)
「こうやって、事件のことをああでもないこうでもないって、小川さんと話すのが楽しくて、ああ、これが僕の青春だったんだなって、今わかりました。だから、うーん」
「だから、何なの?」
「だから、もう充分かなって」
Xシリーズ六作目にして完結編。
綺麗に終わっているな、という印象。色々な人たちの再スタートの話。
小川さんがとても好きだった。
「青春だった」という台詞が少し切なかった。
私恐らく本筋であるS&Mよりも、VやGシリーズのほうに思い入れがあるんだけど、たぶんそれは終わりに向かっていく物語だから。S&Mは根本的には犀川先生と萌絵ちゃんの話で、それは二人がいる限り続いていくんだろうけど、他は違う。何とも名前をつけがたい関係性の男女複数人が、わりとどうでもいい理由でいつも一緒にいて、本当に馬鹿みたいに一緒にいたんだけど、ある日ふっとその関係性は終わる。Xもそうだったんだなと。
事件とは直接関係のない話。
真鍋君と永田さんがああいう結末を迎えるとは当初思ってもみなかった。いざというとき頼りになる男ではあるよね。(例:小川さん布団巻き)
けどバイト先やらそこで手に入れたブツでやったことが怪しすぎ。だいじょうぶかあいつ。正直、盗聴器の下りは事件解決とあんまり関係なかった気がするんだけど、なんかの伏線だったりするのかな。
そういえば、真鍋君が小川さんのことどういう風に思っているのかが個人的に謎だった。永田さんいるし、そういう風でもないんだけど、椙田さんとの仲は邪魔したがるし。
けど今巻で、まあ本人の言っているとおり、精神的保護者と言うか、純粋に小川さんが好きで心配してるんだなーというのがわかったような。個人としてはボスが結構好きでも、ママの相手としてはうさんくさすぎるってやつですかね。合ってるけど。
ともあれ、永田さんが可愛くて、幸せそうでよかった。
シリーズを振り返ると、だいたい二~三十代の傷を抱えた独身女性が登場して、小川さんがいつも危なっかしいくらい同調して心を寄り添わせていたな、というのがわかって、結局は小川さんの傷と再生の物語だったような気がする。表の物語としては。
で。
で、裏のほうの話。
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