貸本屋おせん(高瀬乃一)
#NetGalleyJPにて読了
女だてらに貸本屋を営むおせん。母は出奔、父は自死、当時は嫁き遅れと称される年齢にさしかかるも、一途な幼馴染・登の求愛を交わしつつ、今日も貸本をかついであちこちを回る。
きっぷのいいおせん、彼女を見守る地本問屋の喜一郎や長屋の住人、それに登。魅力的な登場人物が多く、一気に引き込まれました。特に登、結構いい男だと思うので、続編があればこのあたりの進展も見てみたいところ。
こちらが初単行本とのことですが、とてもそうは思えない完成度と読みやすさ。続編でも、新たな作品でも、ぜひ読んでみたいです。
私が一番好きな話は、第三話の「幽霊さわぎ」かな。本の中にある志津のうつくしさ。どんな美女でもかなわないのだろうな。