旅と本

本と旅行とおいしいものについて

黒蝶貝のピアス(砂村かいり)

#NetGalleyJPにて読了

同僚、上司、部下。 仲が良かったけれどしばらく会っていない大学の友達、学内では一緒だったけれどそれ以外では会わなかった友達。 気まずくなった高校の同級生、かつて一緒にステージに立った仲間。 かつて憧れたアイドル。かつて憧れのまなざしを向けてきた少女。 元ローカルアイドル・アゲハだったイラストレーター・菜里子。アゲハに憧れアイドルを目指していたことのある環。環が菜里子の会社に就職することで「再会」した二人と、それを取り巻く女性達との関係性が丁寧に描かれた作品。 ただただ明るいものとはいえない。でも、暗いだけのものではない。 断ち切ってしまいたくなる瞬間もあった。でも、やっぱり繋がっている。 女性の人生にはいくつもの選択と分岐点があって、かつて同じ場所にいた者たちが遠く離れてしまうこともあって、でもきっと、また繋がったり、離れても繋がりを感じたりするのだなあと思う。

登場人物の女性たちには生々しさがあるし、生き方も様々で、いいところばかりが描かれるわけではない。でもみんな、愛おしかった。そこが一番好きだ。

砂村さんの作品は初めて読んだのだけれど、ほかの作品も読んでみたいと思う。

 

 

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