旅と本

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ごくせん(森本梢子)

 

ごくせん 1 (クイーンズコミックスDIGITAL)
 

 いわずと知れた有名作なんであらすじ省略。まあ簡単に言うと極道の三代目の孫娘が教師になって、生徒たちや家族と巻き起こすドタバタコメディ。

なんだけど多くの読者が私と同じように爆笑しながらもラブコメとして楽しんでいたんじゃないかと思う次第。久美子に惚れ込んでく慎、篠原先生に憧れながらも慎を頼りにし出す久美子、そして篠原先生の真意と将来、このあたりはなんだかんだすごく丁寧に描かれてました。

が、いざ恋愛モード突入となるとホストの元先輩がわけのわからん刷り込みで慎を洗脳するという力技にもほどがあるやりくちで卒業までになんとか恋愛にしました感満載でおいおいおい。笑

卒業後の二人を描いた完結編もわりととっちらかってたのでこの作者さん、がっつり恋愛を描くのはやっぱり不得手なんじゃないかと思います。

作者自ら影が薄いといわれた篠原先生ですが、すげーーー好きでした。極道弁護士ぶりが板についたスーツ姿といい、久美子の想いをまともに受け止めたら色々大変なので(主に跡取り問題的に)素知らぬふりをするのに結構必死なところといい。

しかし結局、慎は跡取りではなくごくべんになりそうなため、跡目は結局どうなるんだ?と思わなくもない。

ともあれそういう細けえことはいいんだよっていうぐらい笑えてきゅんとできる爆笑ラブコメディ。個人的には、久美子の父親話が少し残るほろ苦さとそれに勝る幸福感といい、一番好きな話です。