旅と本

本と旅行とおいしいものについて

夜が暗いとはかぎらない(寺地はるな)

 

夜が暗いとはかぎらない

夜が暗いとはかぎらない

 

閉店が決まったあかつきマーケットのマスコット、あかつきんが物語のそばとか後ろとか見えないところで走ったり転んだり人助けしているような話。単純に言うとそのマーケットのある暁町で暮らす人々の連作短編集。

 

 初読みの作家さん。登場人物が多いのでメモを取りながら読みました。繋がるのかと思ったところが繋がらなかったり、思わぬところが繋がったり。特別なことが起きるわけではないけれど、みんな色々あるけれど、基本優しく生きている人たちの話でほっとしました。

あの夫婦は大丈夫なのかなあ、とか、葬儀屋さん悪い意味でなく浮いてて怖い(あの町にはあかつきんいないし…)、とか、心配事の多い日々の中でも覚えてないぐらいさりげなく見知らぬ高校生に水を差し出せる人はすごいなあ、とか、色々と思いをはせたり。

そういえばこの本が六月末、つまり2019上半期最後に読んだ本だったのですが、なかなかさわやかな読後感で迎えられてうれしかったです。他作品も読みたい。